田村正和さんの訃報を受け、改めてその出演作品の素晴らしさに衝撃を受けている今日この頃です。
田村正和 dvd 全28枚組「古畑任三郎」DVD-BOX シーズン1+シーズン2+シーズン3+シーズン4(TV+SP+特典+特別編)日本ドラマ DVD 田村正和出演
私がリアルタイムで見ていたのは1999年の3rd seasonだったんですけれども、当時小学校高学年でありながら、田村正和さん、ほんっとうに大好きでした!
ということで、今回は、田村正和さん後期の代表作、「古畑任三郎」について語ってみたいと思います。
とにかく、色気がすごい!
いや、何って、とにかく古畑の色気がすごい!正和さん、当時50代だと思いますが、本当にカッコいいんですよね。
作品としては、もちろんコミカルな部分もあるんですが、個人的には当時から完全に、カッコいい、綺麗な男性として好きだった気がします。
「古畑任三郎」は恋愛ドラマではないし、古畑のプライベートが描かれることって本編中ほぼないんです(後に「古畑中学生」で少年時代のエピソードが描かれたくらいで)、でもね、本当に引き込まれてしまうような魅力があるんですよ。
犯人が女性のときなんかは、そんなニュアンスもよくあったと思うんですけど、古畑と犯人のやり取りには、確実に、田村さんがラブストーリーで培ってこられた(というか、もちろん天性のものもあるに違いないですが)、相手を魅了するような「間」というか、距離の詰め方や、あるときには茶目っ気で相手の緊張を解いてしまうような駆け引きが遺憾無く発揮されていたと思います。
ちなみに、2006年のファイナル・シリーズでの松嶋菜々子さんとの共演では、古畑が彼女が口をつけたグラスを見つめるシーンがあり、すごくドキッとするシーンでしたね。実は、これは事件の鍵となる部分なんですが、個人的には三谷幸喜からファンへのサービスシーンだったんじゃないか、と勝手に思っています(笑)
というのも、あまりにもプライベートを見せない主人公、古畑なので、ファン心理としては、どうにかして彼の素の姿をもっと見たい、彼を暴きたいという想いがあると思うんですよ。だからこそ、あれだけ長期に続いたシリーズでもどんどん見てしまうし、なにか話の隙間からでも、彼自身の糸口を掴みたいと思ってしまう…。
つまり、きっと、古畑任三郎という人自身がいちばんのミステリーだったのかなと。そして、その姿勢は田村正和という俳優の生き様そのものだったように思います。
並外れた生と死への想い
もうひとつの大きな魅力は、いつも飄々としてクールに見える古畑ですが、人の生き死にに対して強い想いを持っていることなんですよね。
田村さんは、昔は声が通らないなんて評されたこともあったそうですが、古畑の演技においては、囁くようなトーンからシームレスに声を張っていく演技が素晴らしいと思います。本当に息もつかせぬような演技です。
古畑が声を張る場面って、基本的には、彼の倫理観というか、人の生死が人為的に歪められてしまうことに絶対的なNOを突きつけていると思うんです。
それは殺人に対してはもちろんなんですけど、自ら命を絶とうとする人に対してもそうで、津川雅彦回での「たとえ明日死ぬとしてもやりなおしちゃいけないって誰が決めたんですか?」なんて、本当に心に残っています。
そんな古畑にだからこそ、犯人たちは、もちろん表面的にはなんとか逃れようとするのですが、潜在的に心のどこかで、この人になら全てを暴かれたい…と思うのかもしれません。
事件の謎が解かれた後の犯人たちの、どこか肩の荷をおろしたような表情がそれを物語っているように思います。
古畑任三郎は刑事ドラマとしては異色の作品だと思いますが、この生と死に対する強い想いがあるからこそ、犯罪をコメディ要素を絡めて描くという挑戦をしながらも一本芯が通ったドラマになっているのではないでしょうか。
また90年代のドラマですと、正直今見返すと悪ノリに感じられるというか、受け入れられないような表現もあったりするのですが、古畑任三郎は今見てもそういったノイズをほとんど感じません。それもまた、このドラマが持つ芯の強さによるものなのだと思います。放送期間自体も長く、息が長いシリーズでしたしね。
ろろりーイチオシの回
最後になりましたが、私、ろろりーイチオシの回を紹介したいと思います。
イチオシは、中森明菜演じる、小石川ちなみ回、です!!!
実は、この回、記念すべきシーズン1・第1回作品なんですよね。
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この回が好きな理由は、今までの探偵物語にオマージュを捧げるかのように洋館が舞台ということもありますが、やっぱり中森明菜さんが綺麗過ぎる!!で、被害者が、いや、もうマッ○じゃねぇかwww女性が犯人の回らしく古畑と犯人のやり取りも色気があります。
たしか「あなたは、きっといい奥さんになります。私が保証します」っていうようなセリフがあるんですけど、これ実生活では愛妻家だった田村さんのセリフということも考えると、さらに胸に来るんですよね。他ならぬ田村さんに言われたら、きっとうれしかっただろうなぁ。
はい!長々と語ってしまいましたが、世代的に未見の方、またこれを機にもう一度という方も、ぜひご覧になっていただければと思います!
では!!
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