ついにこのお題を書くときがやってきてしまいました(笑)
映画好きの皆さまであれば、好きな映画評論家のひとりやふたりいるのではないでしょうか?
評論経由で新しい見方や情報に出会うことも多いですよね。
なので、映画評論家さんをSNSなどで紹介したい気持ちもあるのですが、なにせこの方々、クセが強い…
ということで、Twitterの140文字などでは語りきれない思いがありまして…(笑)
いや、いろいろ参考にはさせていただいてるんですよ!好きな部分、尊敬する部分もたくさんあるんですよ、でも盲信してるわけではないんだよなって、ちょっとお断りしておきたい感じでして(うざいタイプのファンだね)
ということで、SNSなどでフォローしていただいてる皆さま、
「映画評論家のことは嫌いでも、私のことは嫌いにならないでください!!!!」
(←最低か)
はい、前置きが長くなりましたが、語っていきたいと思います!
淀川長治
この方は王道ですね。
私の人生の中でいちばん最初に出会った映画評論家がこの方です。
当時『タイタニック』を観て洋画にハマり、淀川さんの著書を手に取りました。
「大好きな『タイタニック』や『スター・ウォーズ』はどう語られているかな?」とワクワクしてページをめくると、淀川さんの評は微妙…。
なんとなく昔はもっと良い映画があったのに的に言われているような気がして、
「そんなに言うなら昔の映画を観まくってやるわい!」
と負けん気を発揮し、近所のビデオ屋に駆け込みました。
その個人経営のビデオ屋の2階にあったのは棚一面のクラシックな名画。毎週のように通い詰め、白黒や総天然色に溺れるような中学時代を過ごしたのでした。
今思えば、名画座なんてあるはずもない地方で、配信もない時代にそこまで過去の映画に触れられたのはあのビデオ屋のおかげですね。
そして、映画への情熱に火をつけたのは間違いなく淀川さんです。
あのときに出会った映画が、何もない田舎の学生生活を確実に彩ってくれました。
本当にありがとうございます。
ちなみに、淀川さんはスピルバーグに対しては古参ファンみたいなところがあり、アカデミー賞取るような監督になってからは、「昔のほうがよかった」的なことをよくおっしゃってましたよね。
確か、『シンドラーのリスト』は酷評してた気がする。
この頃の記憶があるからか「巨匠・スティーブン・スピルバーグ!」みたいな枕詞を聞くと、「時代も変わったな…」なんて思ってしまう古の映画ファンです(笑)
1998年にご逝去されていますが著書など今でも手に入りますのでぜひ手にとってみてください。
町山智浩
まっちーはなぁ(笑)本当にもう一言ではいえない、複雑な感情抱いてる。
とはいえ、私は間違いなく影響を受けているタイプです。
町山さんの映画評を聴くようになって自分が一番変わったところは「映画から影響を受けるようになった」こと。
自分、それまでは結構シネフィル的な映画ファンだったと思うんですよね。
シネフィルの言葉の使い方合ってるかな?
要するにね、「ここはワンカットでどうたら〜」とか、それこそ観てる本数を自慢したりはするけど映画のメッセージを真正面から受け取って人生に活かすようなことは子どもっぽくて恥ずかしいと思ってたの。
でも、町山さんの『ロッキー』とかの批評を聴いて、それが変わったんだよね。
ああ、こんなに映画のメッセージに大真面目に感動してもいいんだ、
いい意味で子どもみたいに映画を観ていいんだな、
って思ったんだよ。
映画製作者の側もそれぐらいの気持ちを持って作ってることも多いんだな、とも思うようになった。
なんかね、それまでは製作側は観客のことなんて考えちゃいない、という気持ちのほうが強かったかもしれない。あの人たちは芸術家なんだから、真に受けて感動するなんて、ちょっとバカバカしいよね、みたいに斜に構えてたんだよね。
もちろん芸術家だから感情のほとばしりで作品を作っていてメッセージは後付けということもあるとは思うんだけど、その後付けも含めて、観客がどう受け取るかも含めて映画なんだと思うようになった。
映画を最後に作り上げるのは観客なんだ。観た後で観客の人生がどう変わっていくかも含めて映画なんだ、と思うようになった。ちょっとおこがましいけどね。
そんな意味でまっちーには感謝してるし、親しみもリスペクトも感じています。
ちょっと距離を取りたいと思う部分については、極端な発言が多い部分かなー。
政治的な発言が多い方なんですけど、それ自体はむしろ悪いことではないと思っていて、社会派の作品など観る中で自分も政治や社会に興味を持つべき、行動するべきと思うようになるのは当然のことだし、上記の、映画からメッセージを受け取る姿勢そのものだと思うんです。
でもちょっと見方やSNS上での言葉遣いが極端かなぁ…。敵味方を分けるような発言も多い気がして、対立する相手の容姿に言及する発言もあるようで、そういうことは止めたほうがいいのでは…と思う。意見が正しかったとしても耳を傾けてもらえなくなっちゃうんじゃない?
フェミニストとして叩かれることもありますが、逆に女性蔑視を叩かれることもあるようですね。「映画秘宝読んでるような女はイヤ」とか発言されてたこともあったような気がする(ソース曖昧ですみません)。
男の子映画みたいなの好きだもんね。そういうのは男の子だけのものにしておきたい、みたいなのもあるんじゃないかな。
気持ちはわからなくもないけど(笑)
なんだろうね、宮崎駿が平和主義者だけどミリオタみたいな、主義主張としてはフェミニストだけど男の子だけの領域を持っておきたい、みたいな自己矛盾を抱えてるタイプなんじゃないかな。(めちゃくちゃ個人の感想です。勝手に宮崎さんを引き合いに出してすみません)
映画批評に関しても言えることなのですが、全体としてちょっと感情が前に出過ぎなときもあるかなぁと思います。
ということで、自分自身すごく複雑で、苦手と言われる方もホントに理解できます。
ただ、日本国外の最新情報や映画知識がめちゃくちゃ豊富な方ではあるので、よかったらチェックされてください!
岡田斗司夫
イヤ、もうこの人は映画評論家じゃないじゃん。もう、オタキングという人じゃんwww
って思うんですけど、まぁ入れときますね。
この方もなぁ、クセ強いっていうか、もうクセありきやないかい。
この方から学んだ部分は「作る側に回れなくてもいいんだ!」ということ。
やっぱり今まで書いてきたことでもわかるように、自分は作る人に対して強烈なコンプレックスがあるんですね。
自分は映画業界に入るような才能もないし、映画好きを名乗る資格なんてないのでは…という気持ちがあります。
そのコンプレックスは100%悪いものではないと思うし、作り手へのリスペクトとして一生持ち続けるべきものだと思うんですよ。
でも、コンプレックスに囚われすぎて楽しく映画を観れなくなってしまうのは違うかなと。
で、おそらく岡田斗司夫氏も作り手としての才能はない人だと思うんですね(←失礼)
でも、多くの観客が気になるであろう点を突き詰め、彼なりの考察を発表している。
その姿勢に勇気づけられた部分は大きいです。
とはいえ、心から推せないと思う点もあるので書いておきますね。
まずはプライベート。なんか明治の文豪みたいな生活してるらしいですね(笑)
私生活については外からはわからない部分も多いし、とやかく言うことではないのかもしれませんが…傷つかれた方のことを思うと、ちょっとなぁ…
もうひとつは考察自体についてですね。あくまで個人の意見、感想として発表している限りは、何も問題ないと思うのですが、あたかも真実かのように語ってしまうのは問題があると思います。
個人的にはハク=千尋の兄説は絶対違うと思う(笑)論破できるような考察まではできてないのですが、まぁ私はそう思います。
見る側のリテラシーも上げて、一説として、なんならもう二次創作として楽しむ心構えがあるとよいのかと思います。
映画などコンテンツを考察して楽しむ、という点では参考になる部分も多いので、ご紹介させていただきました。
ライムスター 宇多丸
この方は、わりと紹介しやすいかな(笑)
TBSラジオの映画関連情報を聴くようになったきっかけが宇多丸さんなんですね。先に紹介した町山さんにも宇多丸さん経由で出会ってます。
宇多丸さんのおかげでかなり映画の見方が広がった気がしますね。
昔は酷評してる作品も多くて、その頃のほうが好きだったって人もいるけど、個人的には今の批評も面白いと思いますけどね。
あの頃は本当に謎な邦画が多かったのかもしれない…。
自分が一番好きなのは、『クリード チャンプを継ぐ男』の批評。
宇多丸さん自身の創作者としての部分とか、映画という文化の黄金時代はすでに終わっているのではないか、自分はそれを経験していないのではないかみたいな部分とか、ラップを生業にしながらエリート的な出自を持っている部分とか、そんな諸々の葛藤?をぶつけたような批評になっていて、熱いです。
最近の批評は、ちゃんと公式の書き起こし・音声アーカイブもあるので、オススメです!!!
春日太一
この方もTBSラジオで知った方。
映画の中でも時代劇研究家ということで、独自の面白いお話も多い方です。
時代劇はもちろんなんですけど、昔の日本映画全般に対する知識がすごい。
今回ご紹介した中で唯一イベントに行ったことがあります。
他の方はね、東京でのイベントが主なんですけど、春日さんは東映の京都撮影所によく来られることもあってか、関西でイベントをしてくださるんですよね(泣)
質問コーナーでも優しかったですよ!
ちなみに町山さんとは絶交したらしい…
春日さんと町山さんの共著の遅れや町山さんが宣伝をしなかったりという理由らしくて、「まっちー、オイ!」って感じですけど。まぁ、それを本人に言う前にTweetするのもどうなのかという気もするのですが…。
他人がとやかく言うことではありませんが、お二人の対談は純粋に面白かったので、個人的にはまたコラボしてもらえたらなぁとは思っております。
まとめ
なんとか思いの丈を綴らせていただきました。
個人について語るのは創作物について語る以上に難しいですね。
私の認識違いなどありましたら遠慮なくコメント欄にでも書いていただけたらと思います。
映画評論というのは、ある意味で作り手以上に、映画の前で丸裸になる必要があるのかもしれない…そう、常々思っています。
フィクションというフィルター無しに作品と向き合うので。
もちろんただの感想と評論は違うと思いますが、個人の感じ方なくして評論も成り立たないと私は考えているからです。
ということで、映画評論家って好き嫌いが出やすいのかなって思いますが、気になる方がいたらチェックしてみてください!
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