画像出典:Photo by Erwan Hesry on Unsplash
公開当初は映画館で観ました。
その時はただ、ただギャツビーがかわいそうで…
センチメンタルな気持ちで帰ってきました。
で、あの世界観にどっぷりはまり、
原作読んで、サントラ聴いて、
DVDまで観たあたりで、
だんだん別の感想が湧いてきました。
こっからネタバレあり感想!
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多分、デイジーはあのひと夏の出来事で、本当の意味で大人になったんだなって思ったんです。
デイジーは既に結婚してて、子どももいるんだけど、
昔の恋人であるギャツビーと再会して…
夫であるトムとギャツビーの間で揺れ、選択を迫られる。
で、結局トムを選ぶんですが、
その瞬間、彼女は大人になったんだ…
って思いました。
大人になるって言うことは、
20歳になることでも、結婚することでも、子どもを産むことでもなくて、
「自分の人生を自分で選ぶこと」
じゃないかと思ったんです。
トムとの結婚を決めた時は、
ギャツビーは戦地で生死もわからないし、
どこの馬の骨ともわからないギャツビーとの結婚を親が許すとも思えない。
だから、消去法的にトムを選んだ。
でも、
きっとあの夏、デイジーは
トムとギャツビーをリアルタイムでw
天秤にかけて選んだんだと思います。
なんだかんだで、トムとデイジーは似ているんですよね。
トムにも愛人がいて、その愛人というのは決して上流階級の人ではなく、
生まれは貧しいけど、上昇志向が強い女性。
もちろん奥さんとは全然違う人を、と思っただけかも知れないけど、
トムにはそういう強さや上昇志向への憧れがあったんじゃないかと思います。
だからこそ、ギャツビーをあんなに嫌悪した。
きっとデイジーのこと以前に
嫉妬があったんだと思います。
アメリカという国で決して成り上がることが出来ない人々。
それは、生まれながらの金持ち。
もう、自分が生まれる以前に全ての基盤が出来上がってしまって、
どうやっても、自分の実力を試せない。
そんな風に思っていたんじゃないのかな?
デイジーもトムも、自分とは違うバックグラウンドを持つ者に憧れるけど、
結局彼らのようには生きられない。
そのあたりが、まるでタイタニックと裏表のような作品だなぁと思いました。
改めて、ローズがジャックを選んだすごさも感じるし、タイタニックのジェームズ・キャメロン作品らしさも感じるし、やっぱりタイタニックっていうのは90年代の価値観で過去を振り返って描かれた作品なのだなぁと感じました。(タイタニックは自分の中で殿堂入りするぐらい大好きな作品です!)
「華麗なるギャツビー」の制作陣がタイタニックを意識して作ったとは思わないのですが、ディカプリオがキャスティングされたことで、個人的には、そんな見方をしてしまうんですよね。
トムがデイジーを許したのも、
あの時代においては、決して簡単なことではないはず。
トムがデイジーを説得した、あの夜、デイジーは
自分がyoung and beautifulじゃなくなっても、愛してくれるのは、
ギャツビーではなく、トムだと思ったんじゃないかな。
作品の後半を彩る
Lana del Reyのyoung and beautiful…
結末を知らなくても、
ギャツビーとデイジーの幸せな時間は
束の間の物に違いないと予感してしまう…
美しい曲です。
この曲があったから、こんなにデイジーの感情が胸に来たんだと思う。
いろんな解釈ができる映画なので、
語りきれませんね。
ぜひ一度ご覧ください!
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